SSブログ

セブンイレブンジャパン、大量廃棄用弁当は正当か。 [時事問題:企業]

あなたはこう答えるだろうか。

「法律違反?いいえ、どこでもやってますよ。」

非常に残念な事に日本人の労働生産性が低いのは、非効率・非生産性活動が一般に許容されているとこにあるのではないでしょうか。
この"どこでも"と言うのがミソで、早坂のジョーク集でも指摘されていましたが、日本人は"他の人もやっている"と言ういじめでも犯罪であろうとも簡単に許容してしまうのです。

さて、そんな日本人的思考に陥ったある事例に、政策の大鉈が振り下ろされようとしています。

セブンへの排除命令、コンビニ経営に打撃 事業モデル転換迫る<6月22日 産経新聞>
公正取引委員会がコンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンに排除措置命令を出したことは、24時間営業など「利便性」を売りに定価販売を維持してきたコンビニのビジネスモデルに大きな打撃を与える恐れがある。
今後、全国のコンビニで売れ残り弁当などの値引き販売が常態化する可能性もある。消費不況の中、コンビニ各社は生き残りに向けてビジネスモデルの転換を迫られそうだ。(小熊敦郎)
[問題のポイント] 総利益の43%を本部へ セブンの「チャージ」システムって?
セブン-イレブンの井阪隆一社長は22日、記者会見し「命令内容を詳細に精査した上で、今後の対応を決めたい」と述べた。
ただ「安易な値引き販売はセブン-イレブンの価格に対する不信感や、ブランドイメージの損傷につながる。(値引き販売は一部店舗にとどまり)それほど広がらないのでは」との認識を示した。
売れ残った弁当や総菜などを値引きして販売するスーパーと違い、大半のコンビニはほしい商品がいつでも手に入る24時間営業を武器に「定価販売」を守ってきた。
ここから生み出される厚い利益を本部と加盟店で分け合うことで、成長を続けてきたといえる。
ただ、弁当など消費期限がきて廃棄した場合、加盟店側がその原価を負担する契約になっている。値引き販売ができれば売れ残りが減り、加盟店は廃棄処分による無駄な損失を被らずにすむ。
本部は、加盟店が値引きしても原価より高く売れば一定の収入につながる。
それにもかかわらず本部が値引きを“制限”しているのは、定価販売によって支えられているビジネスモデルが根底から揺らぐ恐れがあるからだ。
大手コンビニ幹部は「値引きが広がると、買い控えが起こり結果として利益低下は避けられない」と心配する。
さらに周辺のスーパーなどとの値下げ競争に巻き込まれると、コンビニが得意とする売れ筋などのデータ分析、需要予測が役に立たなくなり「本部も加盟店も共倒れになりかねない」(同)。
コンビニ業界の業績はたばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ効果」もあって好調だ。そのタスポ効果も7月に一巡し、各社は消費不況と正面から向き合うことになる。
コンビニ業界は平成20年に売り上げ規模で百貨店を抜き去ったが、約4万強に上る国内店舗は飽和状態となりつつあり、構造的に新しい成長分野に活路を見いだす必要に迫られている。
ローソンが生鮮食品を扱う低価格コンビニ「ローソンストア100」の出店を加速させたり、ファミリーマートが今夏にも海外店舗数を国内に匹敵するレベルに引き上げるのはその表れだ。
値引き販売の“解禁”とも受け取れる今回の公取委の判断は、各社の新たな成長戦略に拍車をかけそうだ。


引用文では若干しか触れられていませんが、セブンイレブンジャパンは、常に店頭に弁当を並べておかなければなりません。
そして弁当が3個売れる店でも100個売れる店でも、弁当を10個並べておかなくてはなりません。
3個売れる販売店では13個分購入し10個廃棄、100個売れる販売店では110個購入し10個廃棄です。
どちらに大きな負担があるかは、一目瞭然でしょう。

これは日本人が好きな逆進性課税のように、販売個数の少ない田舎の店などが大きな負担を担い、販売個数の多い店の負担が軽減されるという問題のあるシステムなのです。
わたしは大きな店が大きな負担を担うべきだと思いますが、コンビニは本社の営業利益を最大化することにしか興味が無いようですね。

コンビニ幹部の値引きを制限する事による利益定価を招くという指摘もありますが、これはもちろん本社のみの事を指しています。
どういうことかと言うと、値引き分を減らす為に販売店は廃棄分を少なくすればいいのです。
セブンイレブンジャパンはいつでも販売店に対し、店頭に廃棄分を並べる事を求められています。

今回の大鉈を受けて、セブンイレブンジャパンはすごい"言い訳"を考えました。

7月から食品廃棄原価の15%を本部負担=セブン―イレブン<6月23日 ロイター>
セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>傘下のセブン―イレブン・ジャパンは23日、廃棄処分にした食品の原価の一部を本部が負担すると発表した。
これまでは、全額加盟店が負担していたが、7月から15%を本部が負担する。23日に臨時取締役会を開き、決めた。
井阪隆一社長は会見で、負担額は年間100億円になるとした。
7月からの実施となるため、2010年3月期は40―50億円で「商品が充足され、機会ロスがなくなるというプラス面もあり、業績への影響はあまりない」と述べた。
本部が負担する15%という数字については「会社の収益の中で、この程度ならば投資家にそれほど影響を与えずに(加盟店を)支援できるという枠のなかで考えた」と説明した。
同社は22日、加盟店が消費期限の迫ったデイリー商品を値引きして販売する「見切り販売」を制限したことが独占禁止法違反(優越的地位の濫用)に当たるとして、公正取引委員会から排除措置命令を受けた。
排除措置命令を伝える報道を受けて、井阪社長は「加盟店が縮小均衡の考え方になり、廃棄ロスを怖がるばかりに注文を控え、消費者に十分な商品の提供ができなくなる」との懸念を持ったとし、負担を決めたという。
廃棄した食品の原価を加盟店が負担するのは、コンビニエンスストア業界共通の方式。その原価の一部を本部が負担するのは初めてで、今後、他社の対応が注目される。


「販売店は85%の負担でよいから、これ以上逆らうな。」

このように言いかえれるように見えますね。
論点が違いすぎる事にそろそろ気付くべきではないのでしょうか。
まず、そもそも負担が逆進性になっている事。
そして、見せるためだけに、廃棄前提の弁当を大量に並べるセブンイレブンジャパンのやり方に、食料自給率や環境問題の見地から、日本全体から風当たりが強くなっているのです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。