心神喪失の過失責任、所謂旧禁治産者。 [時事問題:未分類]
医師と話す機会があったので少し紹介しておきます。
近代市民革命以来、近代市民法の基本原理に過失責任の原則、契約自由の原則、所有権絶対の原則と言う3つの原則で成り立っている。
この過失責任の原則により、故意・過失が無い者は罪に問われない事になっている。修正として企業-民間及び官-民間での損害に限り無過失責任が認められているが、私人間では基本的に過失責任が絶対的なものである。
故に心神喪失による旧禁治産者は行為能力の制限がある代わりに常に損害の故意・過失が無い物と推定され、どんな犯罪も刑罰に処されないとされている。
このことに関しては特に何も感じるものは無く不思議に思うこともなかったのだが、今回医師より聞いた話により愕然としたのだ。
医師が研修で旧禁治産者の収容される病院へ行く機会があり、殺人等を起こした患者に話を聞くとこのような事を言っていたそうだ。
「俺は人を殺しても罪にならないんだ。」
この話を聞いたときすごい衝撃を覚え、このような人間に殺されて、罪に問う事も出来ず賠償も求めることも出来ない。こんな理不尽なことはあってはいけない。
確かに考えると当然の結果ではある、しかしこれほど生々しい話を聞くととても怖いものに感じる。
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